【数字】 36

36には全ての方角という意味があるみたいです、あんまり使わないと思うんですが、全周360度とすることとひょっとしたら関係あるのかと思うんですけど、確証なしです
36をいろんな方角の意味で使っているのが、有名な浮世絵のシリーズ、富嶽三十六景です

作は葛飾北斎、72歳ですから晩年の作品です、シリーズものなので、発表は1823年から1831年にかけて 版元は西村寿永堂

当初、当然ですが36枚のシリーズとして発表されたのですが、好評だったため、10枚が追加され、全部で46枚になっています、当初の36枚を表富士、追加10枚を裏富士と呼びます

描かれた場所は
江戸(日本橋駿河町、駿河台、小石川、青山、隠田、下目黒、浅草、両国、深川、本所、佃島五百羅漢寺、千住、千住花町、隅田川、品川御殿山、玉川)
相模(神奈川沖、保土ヶ谷、七里ガ浜、江ノ島、仲原、梅沢庄、箱根)
駿河(大野新田、田子の浦、江尻、片倉、金屋、遠江山中)
甲斐(伊沢、三坂、三島、鰍沢、身延川、犬目峠)
尾州(吉田、不二見原)
信州(諏訪湖
常州(牛堀、登戸浦)
房州(上総の海)
そして富士山そのものがメインの(凱風快晴(赤富士)、山下白雨、諸人登山)

今でも冬場、空気が澄んでいれば、遠くに富士山が見えることもありますが、当時は高い建造物もないし、日常的に富士山が見えたんでしょうね、ちょっとうらやましいです

なんとなく、某出版社の週刊なんとかシリーズみたいだ、あれも当初50冊のあと好評だと10冊ぐらい追加してますよね、前に自分で買ったシリーズがそうだった、結局60冊分も買ってしまった、後で冷静に考えたらえらく高い買い物だった(すんません愚痴です)

実は、もう一人、東海道五十三次で有名な歌川広重も1852年に不二三十六景として、発表している、こちらの版元は蔦谷

この作品に限らず浮世絵では藍の青が印象的に使われ、この青は印象派の画家たちに大きな影響をあたえ、藍色はジャパンブルー、ヒロシゲブルーなんて呼ばれたそうです。

おすすめ

北斎殺人事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)北斎殺人事件』 高橋克彦
(浮世絵シリーズの一冊)