【ハイク】アーカイブ 一行超短編

  • 秋とか恋とかって、下の方にあって、深まったり落ちたりするんだねって、銀杏をよけながら、君の声。(2008/11/2)
  • 秋だねって、つないだ手は、焼き芋の誘惑に負けた。(2008/10/20)
  • あまりに澄み切った青空の下で、訳も無く申し訳ない気持ちになる。(2008/10/2)
  • 突き出して振り回す、君の腕の先には、出来損ないの綿菓子の雲(2008/9/24)
  • 知ってた、梨って、神様からの残暑見舞なんだよ。(2008/9/20)
  • 叩きつけるように傘にあたる雨の音が、君と見たあの日の花火のように聞こえて少しだけ立ち止まってみる帰り道(2008/9/20)
  • 煮詰まったような味のする紙コップのコーヒーは嗜好品というよりは、戦友とかに近いかもしれない。(2008/9/5)
  • 目をつむって、両手を広げて、思い描いた範囲が世界の大きさだ、世界は君の内なる認識の中にあるのだから(2008/8/30)
  • 春も夏も冬も来るんだけど、夏は終わるんだな(2008/8/28)
  • 小さい秋を見つけたと、カキ氷を片手に、君が傾げた枝先の小さな赤い実、その向こう側には赤とんぼ。(2008/8/27)
  • ここに埋もれた沢山の言葉の断片から、また新しい言葉は生まれてくるのさ(2008/8/26)
  • 「終点ですよ」と、私を揺り起こした男の背中には、黒光りする鎌の刃があった。(2008/8/6)
  • 暑い中の得意先まわり、悪態をつくながら乗り込んだ電車の中は、しばらく走ると明るく広がった河川敷の上を走っている。川の上に広がる空と吹き抜ける風を見て、私は少し背筋を伸ばす。(2008/8/6)
  • 気持ちは時速200キロの風にのって、改札の向こう側で形になった。(2008/8/5)
  • 「光あれ」、暗闇の中で声がした。「スイッチは向かって右よ」少しあきれたような声がかえってきた。(2008/8/5)
  • ある日突然、湿気が粘度をもつようになった、みんな、蜂蜜の中を泳ぐようにスローモーになる。大混乱になる町をながめて、これも、そんなに悪くないなと思う夏の午後。(2008/8/4)
  • 今日は、アイスコーヒーを発明した人に乾杯をささげようと思う。(2008/8/3)
  • この歳になって、夕暮れの寂しさは、帰る場所があったからだ、とゆうことに気がついた。(2008/8/2)
  • さあ、行きなさい。そんな声が聞こえたようなきがした。世界が開かれ、光と風がそこにあった。Happy Birthday(2008/8/1)
  • 何故、生物は海から陸へ、そして空へ進化しようとしたか知っているかい。それは空が青かったからさ。(2008/7/31)
  • 悪態をつきがらあがった横断歩道の上で、季節は風が運んでくるということを僕は知った。(2008/7/30)
  • そして僕は、マンボウの後ろ半分を捜す旅に出る。(2008/7/29)
  • 「じゃあ」「また」二人は、振り向きもせず、それぞれの道をまた歩きはじめるのでした。(2008/7/29)
  • そこには赤い大きな実をつけた一本の木がただたっているでけでした。(2008/7/28)