10

10、さてまだまだ続きます

人間の両手の指が十本だったせいでしょうか、10でひとくくりとする数学体系はなじみの深いものです。12のほうがいろいろ便利だったりするんですけどね

前の5で紹介した五行(木、火、土、金、水)に陰陽の考えを加えてものが十干
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
いまでも契約書なんかでたまに登場します、以下甲というとかで
よみは、木の兄(きのえ)、木の弟(きのと)と五行に兄、弟を加えてよみます
その昔の学校の成績表は甲乙丙丁だったらしいですね、焼酎は今でも使ってますね

エビ、カニイカの脚の数も10、もっともイカは8本+2本で役割が違うみたいですど

SF者としては10といえば、太陽系10番惑星
さきほど冥王星が太陽系9番惑星から降格されてしまい、次に惑星が発見されたら9番惑星ってことになるのでしょうが、ここはそんな無粋なことは気にせずに未だ発見されていない太陽系10番惑星に思いを馳せましょう

SFで題材とされる10番惑星は実は二種類あります、
その一つは、地球と同じ軌道を地球から見て丁度太陽の反対側に居る10番惑星
もう一つは冥王星軌道の外側に存在する10番惑星

地球と同じ軌道を回る10番惑星は、角川のジュブナイル文庫で刊行されていた、その名も『十番惑星』 ソビエトの方の1945年の作品だそうです
地球から丁度反対に見つかったその惑星への冒険紀行の話なのですが。そこには、やっぱり人間がいて、文明があって、でそのさき全然覚えておりません、すでの絶版となっているらしく入手も困難かと

このモチーフを土台にして、さらにパラレルワールドが微妙にまじりあいながら、この10番惑星を舞台にした話がその後もいくつか登場します、向こう側の地球にも、こちら側とほぼ(ここが重要)同じ環境での生活をしてる自分が存在して……ってパターンですね。
さすがに人類に月におりたち、太陽の向こう側にもう一つの惑星がどうやらなさそうとなり現在は下火ですね

これに対して冥王星軌道の外側の方は、見つからない=存在しないの立証が困難なこともあり、今でも、数多くの作品で登場してます
その中でも一番と思われるのは、星野之宣2001夜物語』に登場する太陽系10番惑星「魔王星」、この星なんと全部が反物質で出来ているというシロモノ、この反物質を利用した超光速推進機関の発明により人類の版図は遠く太陽系の外側に広がるきっかけになった星です

SF続きで
ヨーロッパのSF作品ではキリスト教(直接その名前を使わなくても教会、教義でそれと推測できる)をモチーフとしているもおが多いです、その中で10にちなんたものいえば、十字架、歴代SFベストを選出するなら、当然ノミネートされる名作、『ハイペリオン』シリーズの後半『エンディミオン』では、宿主を死後復活させる力を持つ寄生体としての十字架が登場します、