バスの視線

引越しをしてから朝の通勤でバスを利用している、利用しているのが短い路線のためか、大抵は座って駅までゆける、ただし経路が多少遠回りなので、実は歩いていってもさほど時間が変わらないのは、定期代を申請している会社には内緒である。
実はバスからの風景がとても好きである、電車の車窓もそれなりに楽しませてもらえるが、線路という枠から外を見ているようで、少し遠くの景色という感じがする、しかしバスからの視線は、もっと近い、それでいて歩いているときより少しだけ、高い位置だったり、車道からの視線となるため、少しだけいつもりずれた視線になる、普段とおりなれている場所なのに、いつもは見えない場所が少しだけ覗けたり、狭いとおりでは店舗の軒先ぎりぎりまで接近していたり、歩道を走る自転車に追い抜かれるのを少し俯瞰して眺めたり。
別段なにか特別なことがあるわけでもないのだけれど、朝、バスに乗っているこの時間、ちょっとだけ優越感を感じたりしている。